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ナイキ、ジョーダン引退以来の最悪の年に? 失速の理由と再建への道

ナイキが1993年のマイケル・ジョーダン引退以来の最悪の年を迎えようとしている。競争激化やイノベーション不足、中国市場の苦戦など、失速の理由と再建への道を分析する。

公開日時: 2026年8月30日 7:04 · 更新: 2026年9月27日 22:48

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ナイキ、1993年以来の最悪の年へ

スポーツウェアの巨人ナイキが、かつてないほどの苦境に立たされている。2024年度の業績は、マイケル・ジョーダンが1993年にNBAから初めて引退した年以来の減少幅となる見通しだ。ジョーダン引退当時、ナイキは彼のカリスマ性に依存したビジネスモデルから脱却するのに苦労し、売上が急落した。そして今、再び同様の試練に直面している。

数字が示す深刻な事態

ナイキの2024年度第4四半期(3〜5月)の売上高は前年同期比で約2%減の126億ドル(約2兆円)となり、市場予想を下回った。通期でもほぼ横ばいで、特に北米市場では前年比で約5%の減少となった。株価も年初来で約20%下落し、投資家の間では「ナイキは成長ストーリーを失った」との声が広がっている。

なぜ、今なのか?

この低迷の背景には、いくつかの構造的な要因がある。

まず、競争の激化だ。特にランニングシューズ分野では、HokaやOn(オン)といった新興ブランドが急速にシェアを拡大している。これらのブランドは厚底でクッション性の高いシューズで人気を集め、ナイキの「ズーム」シリーズなどと直接競合している。日本でも、Hokaの「クリフトン」やOnの「クラウド」はランナーの間で絶大な支持を得ており、ナイキの伝統的なヒット商品である「ペガサス」シリーズは苦戦を強いられている。

さらに、イノベーションの欠如も指摘される。かつてナイキは「エアマックス」や「ヴェイパーフライ」のような革新的な製品で市場を牽引してきた。しかし、近年は革新的な新製品が少なく、「エアフォース1」や「ダンク」といったレトロモデルに頼った販売戦略が続いている。これがブランドのマンネリ化を招き、若い消費者層の関心を他ブランドに奪われている。

また、DTC(Direct to Consumer)戦略の失敗も影を落とす。ナイキは2021年頃から、一部の小売店との取引を打ち切り、自社の直営店やオンライン販売に注力してきた。しかし、この戦略が裏目に出て、販売チャネルが縮小したことで、一部の市場では存在感を低下させている。特に中国市場では、現地の小売パートナーとの関係悪化が響き、アンタ・スポーツなどの地元ブランドにシェアを奪われている。

ジョーダンブランドの好調は救いになるか

一方で、ナイキ傘下のジョーダンブランドは依然として好調だ。マイケル・ジョーダンの名を冠したブランドは、スニーカーだけでなくアパレルやライフスタイル商品でも幅広い支持を集め、2024年も二桁の成長を記録している。しかし、ジョーダンブランドの売上はナイキ全体の約15%に過ぎず、本体の低迷を完全に補うことはできていない。

日本市場への影響と今後の展望

日本では、ナイキは依然として人気ブランドだが、その勢いに陰りが見え始めている。国内スニーカー市場では、ニューバランスやアシックスが存在感を増しており、特に若い世代の間では「ナイキよりもニューバランス」というトレンドも見られる。さらに、円安の影響で輸入商品の価格が上昇し、消費者の手に取りにくい状況も追い打ちをかけている。

こうした中、ナイキは再建に向けた動きを加速させている。2024年10月には、長年同社を率いてきたマーク・パーカーCEOに代わり、エリオット・ヒルが新CEOに就任した。ヒル氏は、新製品の開発サイクルを短縮し、小売店との関係を再構築する方針を打ち出している。また、2025年には「エアマックス」の新シリーズや、ランニングシューズの新モデルを投入する計画だ。

しかし、これらの取り組みが実を結ぶまでには時間がかかる。アナリストの間では「ナイキの復活は少なくとも2026年以降になるだろう」との見方が強い。それまでに、ナイキがどれだけブランド力を維持できるかが試練となる。

ブランドの求心力をいかに取り戻すか

マイケル・ジョーダンは1995年にカムバックし、ナイキは再び成長軌道に乗せた。今のナイキに求められているのは、過去の栄光にすがるのではなく、新しい時代のアイコンを生み出すことだ。単なるスポーツウェアブランドではなく、カルチャーを牽引する存在としてのナイキの復活が期待されている。

日本市場にとっても、ナイキの動向は無視できない。スニーカーヘッズだけでなく、一般の消費者もブランドの理念やデザインに共感してきたからだ。ナイキが再び輝きを取り戻せるか、その行方はスポーツ業界全体の関心事となっている。

唐

唐澤 あきら

Full stack 技術者

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